【第4回】ラウンダーのミッションとは?売上を爆増させる「定性・定量情報」の収集ノウハウ

前回の記事(第3回)では、リテールサポートチーム(専門ラウンダー組織)の立ち上げ4ステップと、自社営業との「理想的な役割分担」について解説しました。
役割分担が決まったら、次に重要なのが「現場のラウンダーにどんなミッション(役割・目的)を与え、どのような情報を集めさせるか」です。
ただ漠然と「店舗を巡回して商品を並べてきて」と指示するだけでは、ラウンダーの真の価値を引き出すことはできません。
今回は、スライド12〜13をベースに、ラウンダーに与えるべき明確なミッションと、本部商談を強力にバックアップする「定性・定量情報」の収集手法を解説します。
1.現場ラウンダーに与えるべき「3つの主要ミッション」
リテールサポートチームのスタッフ(ラウンダー)が店舗で果たすべきミッションは、大きく分けて以下の3つに集約されます。
①売場作り(アウト展開・推奨販売の獲得)
本部で決定した定番棚の維持はもちろん、店舗責任者(店長や部門担当者)と交渉し、エンド展開や島陳列といった「アウト展開(通常棚以外の特設売場)」を獲得・維持することが最大のミッションです。
②売場環境の正常化(欠品・乱れの防止)
売れていても棚が空(欠品)になっていたり、商品が倒れて見栄えが悪くなっていては機会損失が発生します。在庫の確認、発注の促進、棚札の補充、乱れた陳列の修正を行い、常に売れやすい売場状態を保ちます。
③現場情報の収集(マーケティングデータの可視化)
営業担当者が本部商談で勝つための「生の現場情報(一次情報)」を収集し、本部へフィードバックするミッションです。
2.本部商談を劇的に変える「定量情報」と「定性情報」とは?
ラウンダーが収集すべき情報は、「数字で表せるデータ(定量情報)」と「現場の生の声・観察データ(定性情報)」の2種類があります。
この両方を組み合わせて分析することで、本部のバイヤーに対する提案の説得力が劇的に上がります。
① 定量情報(数字・ファクトで測る指標)
店舗ごとの状況を客観的に把握するための数値データです。主に以下の項目を収集します。
- 導入率・カバー率: 巡回店舗のうち、自社商品が導入されている店舗の割合
- アウト展開獲得率: エンドや特設コーナーなど、アウト展開ができた店舗の割合
- POP設置率 : 指定の販促物(POPやスイングPOP)が正しく設置されている割合
- 欠品発生率 : 棚落ちや在庫切れを起こしている店舗の割合
② 定性情報(数値化できない現場の生データ)
定量データ(数字)の背景にある「理由」を解明するための情報です。
- 店舗スタッフの生の声: 「お客様から〇〇についての問い合わせが多い」「このサイズは棚に入り
きらない」などのご意見 - 競合他社の動向 : 「競合〇〇社が新しいベタ付けノベルティを始めた」「競合の特売価格が
〇〇円に下がっている」といったリアルタイムな現場変化 - 売場の写真(写真データ): 自社・競合の陳列状態を撮影したビジュアルデータ
3.集めたデータをどう活かすか?(営業への還元シナリオ)
ラウンダーが収集した「定量+定性データ」は、単なる報告書で終わらせてはいけません。以下のように営業担当者の「武器」として活用します。
【本部商談での活用例】
- バイヤーへの提案: 「全国〇〇店舗の巡回データによると、御社チェーンでのPOP設置率は現在40%にとどまっています(定量)。しかし、POPを設置した店舗では『パッケージの〇〇という訴求がわかりやすい』と来店客から好評で、売上が120%に伸長しています(定性)。全店でのPOP一括設置をご承認いただけませんか?」
このように、「数字(定量)」と「現場の声(定性)」が揃った提案は、バイヤーにとって断る理由がなくなります。
まとめ:ラウンダーは単なる「作業員」ではなく「情報マーケター」
ラウンダーの価値は、品出しやPOP貼りといった作業だけに留まりません。 現場でしか手に入らない貴重なマーケティングデータを吸い上げ、本部商談の成果を倍増させる「情報収集のマーケター」として定義することが、プロジェクト成功の秘訣です。
次回予告:最適な「実施規模」と「エリア別スタッフ配置」の決め方
「自社の場合、何人のラウンダーをどこに配置すればいい?」 「主要都市だけに絞るべき?地方はどうカバーする?」
次回(第5回)は、スライド14〜17をベースに、自社の予算や目的に合わせた最適な実施規模の決め方と、エリア別スタッフ配置のシミュレーション手法について解説します。
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